PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)の代数的構造(3) PPAPはランク3の自由Z-加群
1回目の記事でPPAPは単位的マグマと書いたけど、2回目の記事でそれでは説明できないサンプルがあって、否定されてしまいました。
というわけで、演算を最初から作りなおして整合性がある状態にします。
いきなりですが✏(ペン)、🍎(アッポー)、🍍(パイナッポー)の3つの文字に対して、
S := { n✏ + m🍍 + l🍎 | n, m, l ∈ 整数Z }
とします。つまりSは集合{✏, 🍎, 🍍}を基底として持つ自由Z-加群である。Sの元としては、
1✏ + 1🍍 + 2🍎
-2✏ + -3🍍 + -5🍎
0✏ + 1🍍 + 0🍎
0✏ + 0🍍 + 0🍎
こんなものがあります。このままだと表現しにくいので、1や+は省略して、0がかかっている文字も省略します。
1✏ + 1🍍 + 2🍎 → ✏🍍2🍎
-2✏ + -3🍍 + -5🍎 → -2✏-3🍍-5🍎
0✏ + 1🍍 + 0🍎 → 🍍
0✏ + 0🍍 + 0🍎 → 0
マイナスがつくとちょっと見た目がアヤシイですが、まあ気にしないでください。
演算の条件を満たすように、特別なときだけ見た目を変更するようにします。
ペン✏は、係数が1より大きい時はひとつだけ右側に書きます。
✏🍍🍎 → ✏🍍🍎 (変わらず)
2✏🍍🍎 → ✏🍍🍎✏
3✏🍍🍎 → 2✏🍍🍎✏
アッポー🍎とパイナッポー🍍は、それぞれの係数が1でペン✏の係数が0の時だけ、逆順にします。
✏🍍🍎 → ✏🍍🍎 (変わらず)
🍍🍎 → 🍎🍍
この見た目に関するルールを入れると、満たすべき条件が全て成立するのです。
✏ + 🍎 = 🍎✏
✏ + 🍍 = 🍍✏
🍎✏ + 🍍✏ = ✏🍍🍎✏
✏ + ✏ = ✏✏
🍍 + 🍎 = 🍎🍍
✏✏ + 🍎🍍 = ✏🍍🍎✏
というわけで、PPAPはランク3の自由Z-加群である。