最適テンセグリティ方程式(実践編)
続きです。本当は解答編の予定だったのですが、数式を解くのに手間取っているので先に実践編を書いておきます。
棒の長さに対して上下の三角形の一片が0.7くらいが最適であるという計算結果でした。
作ってみました。左は以前適当な比で作ったもので、右が最適比の0.7で作ったものです。右のほうが背が低くなっていますね。
どっちがバランス的に美しいかって言われると、、、左かも、、、
棒と棒が離れていれば美しいという仮説は間違いだったのかもしれませんね。
7本の棒のテンセグリティ
Our last #SiggraphAsia paper on Position-Based #Tensegrity Design paper is online! https://t.co/A3oALEuOPP pic.twitter.com/rqdh651dWF
— Paolo Cignoni (@ALoopingIcon) 2017年9月22日
テンセグリティは棒が3本、6本、12本、30本のタイプを知っていたけど、このテンセグリティは7本の棒で作っている!!!
自分でも作ってみたいです。見ているだけでは構造が理解できないです。
Position-Based Tensegrity Designという論文のようです。この論文の画像を見ているだけでも楽しいです。
最適テンセグリティ方程式(計算編)
続きです。方程式を解く前にコンピューターでグラフを書いて様子を見てみます。
前回定式化した式をほぼそのままRに入れてプロットしてみました。
出力したグラフはこれです。
0.7よりちょっと大きいくらいのがを最大にしそうです。
最適テンセグリティ方程式(定式化編)
続きです。今回は定式化します。
図に書くとこんな感じです。
テンセグリティの棒の長さは1として固定します。上と下の三角形の1辺の長さをと置きます。三角形に外接する円の半径を、円柱の高さをとします。図中の点、点、点、点は下記のようにとで表すことが出来ます。
\begin{align}
A &= \left( s, 0, 0 \right) \\
B &= \left( -\frac{1}{2}s, \frac{\sqrt{3}}{2}s, 0 \right) \\
A^{\prime} &= \left( -\frac{\sqrt{3}}{2}s,\frac{1}{2}s, h \right) \\
B^{\prime} &= \left( 0, -s, h \right)
\end{align}
直線と直線の距離は公式があります。
これを直線と直線に当てはめてみます。
\begin{align}
d = \frac{
\left| \left(\overrightarrow{OA} -\overrightarrow{OB} , \overrightarrow{AA^{\prime}} \times \overrightarrow{BB^{\prime}} \right) \right|
}{
\| \overrightarrow{AA^{\prime}} \times \overrightarrow{BB^{\prime}} \|
}
\end{align}
このが最大になるを探すのが目的です。
はで定まりますが、その条件も書いておきます。棒の長さを1としたので、
\begin{align}
1 &= \| \overrightarrow{AA^{\prime}} \| \\
1 &= \| \overrightarrow{AA^{\prime}} \| ^2 \\
& = \left( s - \left( -\frac{\sqrt{3}}{2}s \right) \right)^2 + \left( 0 - \frac{1}{2}s \right)^2 + \left( 0 - h \right) ^2 \\
& =\left( \left(1 + \frac{\sqrt{3}}{2} \right)^2 + \left( \frac{1}{2} \right)^2 \right) s^2 + h^2
\end{align}
が成り立ちます。つまり、はで定まり、すなわちで定まります。
最適テンセグリティ方程式(問題設定編)
前に書いた記事で、 3本のテンセグリティのねじれの角度はであることがわかりました。この結果は棒の長さ(と三角形の大きさの関係)にはよらないこともわかりました。
それでは、棒の長さを固定して1とした時、三角形の1辺の長さをどれくらいにしたら、一番美しいテンセグリティが作れるのか、というのが次の疑問です。
が大きければ三角形は大きくなりますがテンセグリティが潰れて低くなり、が小さければテンセグリティは高くなりますが三角形は小さくなり細長くなってしまいます。ちょうどいいバランスのテンセグリティというのは中くらいのにありそうです。
テンセグリティの面白さの一つは棒の浮遊感であって、棒同士が離れていると美しく感じるという仮説を私は持っています。なので今回は、棒同士が一番離れているテンセグリティを作るを探そうと思います。
このエントリーではこの問題設定までにしておいて、次のエントリーでこの問題設定を数式で表してみます。