心理的安全は流行語候補! XP祭り2016:国際会議 Agile 2016の風 – とある参加報告 - #xpjug
今年のXP祭り2016はムスメとの散歩がてら参加するという計画だったので講演はちょっとだけ見られたら良いやというつもりでしたが、昼過ぎからムスメを奥さんに預かってもらったので自由に動けるようになったので、エンタープライズアジャイルの後に国際会議 Agile 2016の風 – とある参加報告 -を聞いてきました。
で、講演者の伊藤さんと竹葉さんのパートで紹介されていたのがモダンアジャイルです。(昨日ググった時に英語だけだと思い込んでいたのだけど、なんと実は翻訳されていました。)
- 人々を尊重する
- 安全な状態を前提とする
- 素早い実験と学習
- 価値を継続的に届ける
この4つのうちの1つの、安全な状態を前提とする(Make safety a prerequisite)の更に中に含まれている、心理的安全(psychological safety)がとても興味深いです。
心理的安全、は言葉通りの意味で、「安心」と言ってもいいだろうし、「くだらない質問しても、自分が思っていることをブログに書いても、攻撃されない」という環境だと思っても良さそうです。そりゃあ、そういう状態のほうが良いに決まっていますよね。牛尾さんの講演で言っていた西洋文化の心地よさもこれに近いと思います。「思ったことを言わない」ではなくて「思ったことを言っても大丈夫」ということですね。
牛尾さんは西洋文化と表現していましたが、モダンアジャイルの基本理念(の一部)としてわざわざ挙げるということは、西洋の文化でも空気のように当たり前というわけではなくて、みんなで意識して心理的安全を守って文化にしているのでしょうね。
それにしてもこういう当たり前のことを明言してしまうのってすごいですね。ローコンテクスト文化の強みというのか。。。当たり前すぎて反論できないし、モダンアジャイルを避けて開発なんてできないですよね(心理的安全を守っただけでモダンアジャイルに入っちゃうと思うと。4つの基本理念が全部そうですが)。アジャイルは宗教だという人もいますが、こういう宗教ならソフトウェア開発者はみんなベースとしてこの宗教を信じちゃえばいいじゃんって思ったりします。
ところで、心理的安全に戻りますが、「自分が思っていることをブログに書いても炎上しない」という状態はどうやって作るのかなと少し考えました。「反論禁止」というわけではないんですよ。反論も自由にできるのが心理的安全でしょうし。たぶん、プロジェクトファシリテーションで言うところの問題 対 私たち(Problem vs. Us)がその答えかなと思いました。
反論したいようなブログエントリーを見つけた時に、反論するのは良いけど、書いた人を叩くような事はしないで、その横にある問題(Problem)に対して意見を言うというのが必要ですよね。第一印象として書いた人を叩きたくなっちゃうのは人間としてしょうがないとしても、ちょっと冷静になって問題に目を向けて、みんなで心理的安全の文化を守っていきたいと思います。