一番好きな数式 √2^√2^√2

私の一番好きな数式は、{ {\sqrt{2}^{\sqrt{2}}}^{\sqrt{2}} } です。 乗数の計算順序が不明確なので、括弧をつけておくと、{ {\left( \sqrt{2}^{\sqrt{2}} \right)}^{\sqrt{2}} } です。

解いてみると、

{
 {\sqrt{2}^{\sqrt{2}}}^{\sqrt{2}}
 = {\left( \sqrt{2}^{\sqrt{2}} \right)}^{\sqrt{2}}
 = \sqrt{2}^{ \left( \sqrt{2} \times \sqrt{2} \right) }
 = \sqrt{2}^{ 2 }
 = 2
}

なので、実は2になるのです。

これがなんと、「無理数無理数乗で有理数になるものが存在するか」の証明で使えるのですよね。

{ \sqrt{2}^{\sqrt{2}} } がもしも有理数ならば、無理数({ \sqrt{2} })の無理数乗({ \sqrt{2} })で有理数({ \sqrt{2}^{\sqrt{2}} })になるものが存在したことが言えます。

そうでない場合、つまり{ \sqrt{2}^{\sqrt{2}} }無理数だった場合は、無理数({ \sqrt{2}^{\sqrt{2}} })の無理数乗({ \sqrt{2} })で有理数({ {\sqrt{2}^{\sqrt{2}}}^{\sqrt{2}} = 2 })になるものが存在したことが、やはり言えます。

{ \sqrt{2}^{\sqrt{2}} }有理数だか無理数だかはっきりしないまま、目的の証明が完了しているのが、すごいと思います。 実際には、 { \sqrt{2}^{\sqrt{2}} }超越数だそうですね。超越数なので当然、無理数でもあります。

この本に載っている数式でした。

新版 バナッハ・タルスキーのパラドックス (岩波科学ライブラリー)

新版 バナッハ・タルスキーのパラドックス (岩波科学ライブラリー)

このことの数年前のツイートがこちら。

ちなみにこのツイートで使ったツールは、MyScript Calculator です。手書きできる計算機です。このアプリ大好き。

play.google.com